ZRX1200DAEG擁護論 デザイン編

ここの雑記でもZRX1200Rの正当なる後継機DAEG発表の話題に触れたんだが、やっぱりバイク乗りの中ではいろいろ注目されているモデルであることは確かだ。懐古趣味的悲観論者や妬み系他社ライダーによる批判意見もあるが、押し並べて擁護派が多いような気がする。自分で無意識のままにフィルタをかけてるだけかもしれないが…。
そこでZRX1200DAEG(ダエグって何か呼び辛くないか?)が発表されてからのネット世論をまとめ、2chmixiに於ける双方の意見の違いを比較し…ようとしたが、あまり面白い比較にはならなさそうな。。。やっぱりここは新型歓迎派として話を進める。

デザインについての批判意見があるようだ。
好みの問題なので一概には言えないが…尖った(オーソドックスではないという意味の)デザインが多い近年のカワサキの中で、DAEGは大人しい方だ。大人しいけど主張するところは主張する。往年の名車 "元祖Ninja" GPZ900Rのテイストを醸し出しつつも、あくまでZRXなのは正常進化としか言い様が無い。もちろん牙が生えただけでGPZ900Rみたいだと言うのは浅はかだが、デザインの流れの融合は面白い試みだと思う。

デザインの変遷としてよく取り上げられるZZRシリーズを見てみると、それこそZZR100 C型からD型へは正常進化だったがZZR1200で突然変異してしまい*1、ZZR1400では名前ばかりの別物デザインになってしまった(但し、最強・最速というコンセプトはZZR1100と同じ。再びフラッグシップに君臨し現在に至る))。この流れに比べるのは極端過ぎるかもしれないが、ZRXの位置付けは「日本の地理事情にあわせた万能型」から大きくはみ出さず、デザインも時代とともに進化している。

ZRXのデザインは"ローソンレプリカ" Z1000Rを彷彿とさせるデザインとして生まれた。が、彷彿とさせる、であって、ローソンレプリカのレプリカではない。名前も違う。スーパースポーツのエンジンをビキニカウルを載せて"スポーツネイキッド"というカテゴリを生み出したのだ。それこそ、今のZ1000に近い位置付けだったのではないか。

今月のKawasaki Bike Magazineでデザイン部の田中氏が「車なら持っと変化を持たせてちょうどくらい。バイクは少し控えめな変更な方が反応が良い」というようなことを言っているインタビューがあった。立ち読みなので一言一句は異なるかも。とにかく、田中氏からすれば「ZRX1200DAEGはもっと変えたかった」のではと想像する。

でも「え!? これがZRX!? 陰も形も無い」とするよりはDAEGくらいに抑えるくらいでちょうど良い。何せ、バイクを取り巻く環境は年々悪化しており、1台新車で114万円に登録料やら保険やらいろいろ払えるくらいの財力がある人は30代が中心だろう。ひょっとしたら40代かそれ以上かもしれない。そんなオッサンが乗って似合うくらいのデザインではないか。しかもかつて憧れたニンジャGPZ900Rのテイストもあるのだ。子ども相手の商売ではない。そうやってターゲット層を絞って商品開発することで、顧客満足度をあげ、良いもの作れば数は後からついてくるという経営方針である。それに万人に受け入れられるものを安く作れば売れる時代は終わっているのだ。バイクはもはやマイナーな趣味の乗り物なのである。


モデルチェンジのデザインについては受け入れる人が受け入れれば良いんじゃないかと。嫌なら嫌な人だけ下りれば良い。それでも付いてくる人はいるだろうし、このデザインなら新たな顧客の開拓もできるかもしれない。何しろ「国内限定」でZRXという稀代のロングセラーモデルの素質あるバイクがこうして生産され続けることになったのは喜ばしいことだ。同じZRXライダーというカテゴリの中で1100が良いとか1200Rが好きだとか、いやいやDAEGが一番だと談義に華を咲かせるのは歓迎することなんじゃないだろうか。

*1:しかもフラッグシップの座はZX-12Rに譲った。