2009年モデル ZRX後継機はFI化―その名もZRX1200DAEG!!

カワサキ、新型ビックバイク「ZRX1200 DAEG」を発売

カワサキモータースジャパンは、1200ccクラスのビッグバイク「ZRX1200 DAEG(ダエグ)」を2009年2月1日より発売する。希望小売価格はブルー、レッドが112万円、グレー×ブラックが114万円。また、同モデルは日本専用であり、輸出はされない

インジェクション化をはじめ、各部をリファインした。ダブルクレードルフレームと水冷4気筒DOHC16バルブエンジンのユニットをベースとしているのは変わらず、市街地からワインディング、高速道路まで安定した走行性能を発揮すると同時に、高い快適性や足つき性のよさ、荷物の積載性、飽きのこないスタイリングなど、オールマイティーな能力を高いレベルで実現し備えたという。

ZRX1100乗りとしてこのニュースは書かずにゃおられまい。大型スポーツネイキッドとして、ローソンレプリカ「角Z」の生まれ変わりとして(レプリカのレプリカではない)、ZRX1100が生まれて早11年。1997年に初代モデルが出て以来、98年にライムグリーンが登場し、2001年にエンジン刷新の1200ccとしてZRX1200RとZRX1200Sが生まれた。国内仕様と輸出仕様ではそんなに大きな出力差はないために、安い国内仕様を買ってフルパワー化する人も多い。Nojimaがレースベースに使ったこともあるほど、ポテンシャルは高い。ZRX1100/1200Rはカスタムベースとされ易いバイクであり、その一方でずっとノーマルで乗り続ける人も少なくない「国内人気」のバイクなのだ。
1200になってからは色チェンジのみで大した変更もなく、しかもキャブ仕様車ということで排ガス規制という時代の波に淘汰されたまま2008年をもって生産中止…ZRXはこのまま絶版車か…惜しい名車を失った。
田中デザイン部長(マツダのロードスターをデザインした人)が来て、欧州路線な「斬新だけどすぐ飽きてしまいそうな」デザインが多かったし、ゼファーも生産中止、W650も終了…国内仕様の大型モデルは何も残らない…

という矢先でZRX1200RがFI化してモデルチェンジする噂が出た。しかも。GPZ900R(ニンジャといえばこれだ)のデザインを融合させるという…

ZRXもGPZ900Rも四角い顔で、厳つく角張った顔つき。確かに融合すれば面白そうだ。悪くはない。FI化は、キャブ仕様車を乗っている身としては寂しい気もするが時代の流れから仕方のないこと。それに2001年にZRX1200Rが出てからほとんど何も変わっていない=設計が古いから、基本路線はこのままで細部をブラッシュアップしていって欲しいところだった。

いつの間にか、カワサキの公式サイトでDAEGという名の真っ黒なFlash広告がでていた。そしていくつかのバイク雑誌にも、見開き真っ黒で何かよく分からない「謎の広告」があった。四角い顔つきから「たぶんZRXの後継機じゃないか」と。

その答えがこれ、ZRX1200DAEG(ダエグ)。何よりも嬉しいのはZRXという名前が残ったこと。後ろ姿は1100/1200Rの方が良かったが、カウルは牙ができているようで、確かにちょっとだけGPZ900Rを彷彿とさせる。とくに上に貼付けた黒×金ラインは「仏壇カラー」と揶揄されつつ人気のあった色である(何年式のGPZ900Rかは忘れた。ZRX1200にも同様カラーが限定である)。
が、あくまでこれはZRXの顔付きだ。サイヤ人がスーパーサイヤ人になったところで、悟空は悟空なのである。ピッコロにはならんのだ。もっとも、ZRXのイメージカラーはピッコロ色でキャラクターはベジータなのだが(主役ではない)。カカロットォォォォ!!

中古で買った我がZRX1100の良いところを並べてみる。

  • 飽きのこないスタイリング、それでいてちょっとバイクを知っている人ならすぐにZRXと分かる。
  • シート下の広い積載性。夏場のツーリングならタンクバックさえもいらない。
  • 一体型シートによる荷物の積み易さ、タンデムのしやすさ。
  • ノーマルでもちょっと弄って遊べる前後サス。

続いて、ここは変えてくれと言いたい所。これも1100の場合。

  • 水温系くれ。
  • 時計くれ。
  • トリップメータはもう一個くれ。でもスピードメーターとタコメーターはアナログのままにしておいて。
  • センタースタンドくれ。

クレクレ厨かッ!
DAEGは1100の良い所はそのままにクレクレ挙げた4項目は欲しいところ。ちょっと確認してみたところ、時計は付いているようだ。

いまはニュースサイトやバイク屋のサイトから、外観しか掴められない。来春、たぶん大阪なら舞洲で、東京ならお台場で試乗会があるハズ。それに行ってぜひとも乗り心地をチェックしなければ!

ともかくZRXが残るのは嬉しい。しかも国内仕様として。海外しか見ていないと思っていたKawasakiだが、Ninja250Rを出したり、今回のZRX-DAEGを出したりするあたり、ちょっとはユーザの声も聞いているんだなと。願わくば、また数年間ほったらかしじゃなく、2年くらい置きに細かい所をブラッシュアップして生産し続けて欲しいものだ。来年は色チェンジのみで赦すが、再来年に市場に出て浮かび上がった細かい不具合や改善点はちゃんとフォローしてくれないと、質主量従という川崎重工の経営方針に背くことになるんじゃないか? ホンダやヤマハに比べて人員の少ないと言われるカワサキだが、それを言い訳にしてはいけない。今後のZRXに期待するものは大きい。