Macユーザが求めない5万円PC、でももし5万円で出るなら…

「ユーザーは求めていない」Appleが低価格ノートパソコンへの参入を否定 - GIGAZINE

Appleの営業部門を統括する上級副社長フィル・シラー氏が日本経済新聞社の取材に対して「消費者はAppleに格安パソコンを求めていない」と述べた上で、当面は低価格ノートパソコン市場に参入しない意向であることを強調した

「当面は」と書いているので、そのうち気が変わって(=新たな売れる見込みやニーズの隙間を見つけて)低価格MacBookが出るかもしれないことに、一応の布石としているが、僕の予想ではたぶん出ない。少なくとも、Macとしては。
「ユーザは求めていない」ともあるけど、Macユーザにとって、低価格モバイルPCは必要だろうか。欲しいだろうか。Windowsしか触ったことがないのに使いにくいだのマイノリティだのいう不毛な便所の落書きはおいといて、主観たっぷりで「低価格Macの必要性」と「もし出るなら…」を考察する。

現状

UMPC(ウルトラモバイルPC)と略すそうだが、ここのところ売れ筋のミニノートPCを買う人はほとんどが2台目あるいは3台目として買い、サブとし使っている。低価格を追求した低スペックで全ての仕事をしようなんざ無茶な話だし、壊れてもそんなに痛くないくらいのつもりで持ち運んでいる。実際、身の回りの人がそうだ。
一方、現行のMacはメインマシンとして使うことを前提とした設計がなされており(MacBook Airを除く)、それがホームユースかプロフェッショナルユースかでMacBookMacBook ProiMacとMac Proが住み分けられている。じゃあ外に持っていって何かをする場合はどうするかというと、プレゼンテーション程度ならiPhoneあるいはiPod touchを外部へ出力させることでできるハズ。また、ちょっとしたネットサーフィンなら快適にできる。
音楽を聴く? 写真を観る? ビデオを観る? iPodシリーズの独擅場じゃないか。テキストを記録する? Windowsじゃなくても、PCじゃなくてもいいだろう。メインマシンとの同期を頻繁に行なわなければならないなら、iPhoneをMacに繋いでsyncさせる方が手っ取り早い。既にiPhoneが「持ち運べるMac」となっている。

仮定

仮に5万円でMacができたとする。だがそれはMacではない。
5万円で実現したMacの機能は47000円のiPod touch 32Gモデルを凌駕する魅力があるだろうか。3000円の差なら新しいMacの方が魅力的だと思えるものになるだろうか。Macというブランドを維持するには、5万円では売らないんじゃないか?

こんな代案はどうよ?

50000円でMacを作るんじゃなくて、47000円のiPod touchをさらに使い易くする。あるいは新種のiPodを作る。iPod Keysとか。タッチパネルに加えてQWERTY配列のキーボード付き折り畳み式の、新種のiPodとして売り出すってのはどうだ。アプリケーションはApp Storeで入手し、ゲームもできるなど、現行のiPodシリーズで出来ることはすべてカバーした上で、もうひとつ「何か」を付け加えてくる。それが既存のキーボードというのはちょっと考えにくいが…。

じゃあこんな案はどうだ。iPod touchiPhoneに対応する外付けキーボードiPod touchiPhoneで何が辛いかというと、文字入力だろう。文字を入力するために、それこそワンセグチューナをWi-Fiで飛ばしてiPhoneで視聴できるようになったみたいな感じで、iPhone/iPod touch用ワイアレスキーボードを用意する。
するとわざわざ5万円に抑えるためにMacを新設計する必要は一切無くなる。Macで管理するあらゆるものを持ち運べるし、ある程度の操作もできるなら、5万円Macとして市場に投入する意味もない。それに今さら投入したら「Appleは二番煎じか」という目で見られかねない。


以上、Mac信者による主観たっぷりの妄想。ま、信者といっても仕事はWindowsを仕方なく使っているんだけど(←しつこい)。