第二次成田空港問題となるか / 羽田ハブ空港化は進めるべき

羽田空港をハブ空港化する話は今に始まったことではなく、「表に出た」のはまさに「暗黙の禁句」だったのが政権交代により陽の目を見たことによると思う。

成田空港の話をする前に、Youtubeから1本(3分割になっている)のビデオを引用する。


成田空港問題は単なる住民問題ではなく、一部の左翼団体と全共闘時代の学生が合流することで、一筋縄ではいかない政治問題となった経緯がある。ネット上を見てると、やれ権力がどうとか、多額の補償金が貰えるのに映らない理由が分からないだとか、やれやれな意見が目立つ。ネット右翼、サヨクとか、右/左の話はそれぞれに言い分があるんだろうけど、たまに気持ち悪いのがあるから注意。

語弊を招きそうだけど、「単なる住民問題」で終わっていれば、また建設省(国土交通省)や空港側も誠意ある対応を続けていれば、成田空港は世界にその名を轟かすアジアのハブ空港となり得たかもしれない。けれども、学生運動が盛んな時代、そんな考えが流行った時代、「流行」の反体制思想と絡めたもんだから話がややこしくなった。もともとそこにいた開拓農民まで、「彼ら左翼は」と言われるようになったのではないか。本来の農民は、やはり自分の土地を手放したくはないのだし、それが先祖代々伝わるものならご先祖様に申し訳なく、自ら開墾した土地ならこれまでの労を踏みにじると捉えるだろう。

それと、政府や空港側もやり方がまずかったのではないか。話し合いをしたか。でも暴力、テロ、ゲリラ攻撃にあった。双方に死者が出た。打つ手なく、政府側も強行策をとった。うーん、「誰が悪い」という問題ではないだけに、解決の糸口は40年以上経った今でも掴めない。ようやく「空港と共生」という方向に向かう地域もでたようだが。

ということで、僕はどっちが悪いだとか、成田空港問題はどうあるべきだ、ということを論じるつもりはない。自分の土地を捨てて国家の発展に寄与するのか、国家が発展しても自分が満足しなかったら意味がないとするのか、あるいは別の観点から捉えるのか、「空港近辺の住民に関連する問題」について僕が結論を出すことに意味はない。



当の千葉県知事もどうやら誤解があるかのような報道だけど、羽田空港が国際ハブ空港化するからといって、成田の便数が減るわけではない。と、前原国交相も明言している。成田は成田で国際空港のままなのだ。そして貨物空港であり、空の貿易の要であることに代わりはない。でも、アクセスの観点からすると羽田の方が便利ってのは一目瞭然。所詮、千葉県と、23区内にある海上24時間営業空港を比べると、そりゃ羽田が便利だ。

成田を縮小させるのではない、羽田を増強するのだ。でも成田問題は忘れてはならないし、忘れるわけないだろう。政府は誠意ある態度で説明と説得を重ねてほしいところ。自称熱血なだけのどこかの知事が喚こうが、そんなの敵じゃないだろう?