オランダ人好みの日本ビールはアサヒであるという一結論

ヱビスかと思ってたけどそうじゃなかった。少なくともベンは。

先日の南九州ツーリングの2泊目は桜島ユースホステルだった。折しも皆既日食の2日前ということで、世界中から観光客が鹿児島にやってきていた日であり、そのユースも外国人客割合のがかなり多かった。イマドキの若いもんはユースの存在すら知らんもんがいるようで、また基本的に相部屋の宿泊を好まないのか日本人は減少傾向という事実も拍車を掛けていたのかもしれない。

ユースホステルでアンナ(チェコ人女性)、コディ(オーストラリア人男性)、ベン(オランダ人男性)と知り合った。どれが本名でどれが仮名かはヒミツ。英語圏のfirst nameって日本ほど多用ではないし。
アンナとコディは知り合いのようで、ベンは学生。オランダで日本語を勉強しているが、大学の交換短期留学プログラムで3ヶ月ほど日本にきているんだとか。3ヶ月間の日本生活の最後に、夏休みに入ったことだし九州を旅しているという。日本語を勉強してまだ2年足らずというが、日常会話くらいなら難なく話せるくらいうまかった。彼は僕と同じ部屋だった。

ヱビスを奨めてみた

夕食後、ビールでも買いに行こうと誘った。近くのコンビニで缶ビールを買う。どれがオススメ?と言われ、ヱビスを奨めた。これはドイツのビールと同じ製法で、米やコーンなど他の材料を使っていない。せっかくだから試してみるといい。と、ヱビスビールを買ってユースに戻ろうとしたその時、錦江湾に花火が打ちあがった。

走って海に向かうと、そこにはコディとアンナがいた。花火はほんの少しで終わったが、そこから4人横に並んでTalking about Japan with 缶ビール。

オランダ人はヱビスビールを気に入ったか

ヱビスビールはどう?と訊いてみた。

「美味しいビールですね。ドイツと同じ製法って言ってたけど、確かに味が濃いです。」

気に入ってもらえたかな。

「だけど何杯も飲むなら、ヱビスよりアサヒがいい。」

と意外な答え。へえ、アサヒスーパードライっていうとビールの中では淡白、辛口なんだけど、喉越しを求めるならアサヒくらいがいいのかなと。それともヱビスは口にあわなかったのかな、といろいろ考えたが、次の一言で盲点を突かれた。


「でもハイネケンが一番飲みやすいですね」


!!!!!!!!

ハイネケンを忘れていた。そうだ。オランダといえばハイネケンだ。そしてハイネケンは割りと淡白というか麦むぎしくない味わい。だからオランダ人にとってはヱビスよりもアサヒスーパードライが飲みやすいと感じるのか。

日本酒はそんなに美味しくない

アンナ曰く、「せっかく日本に来たからsakeを飲んでみたけど一口でやめたわ。何か分からない飲み物だった。日本人はみんなあれを飲んでるの?」
ベン答えて曰く、「日本の若い人はあまりsakeを飲まないみたい。年配の人だけが飲んでいるという印象かな。今ではsake以外にもビールとかカクテルとかいろんなアルコールがあるからだと思う」
我、補足して曰く、「昔ながらの製法で、ちゃんとした作り方をしているsakeは美味い。米の香りがする。でもコンビニで売ってたり居酒屋に置いてるsakeは安くて質の悪いものが多い。確かに不味いsakeよりは、店によってそんなに味が変わらないビールの方がハズレなく飲めるから、若い人はsakeをあまり飲まないんだろう」

日本酒は不味いものだけではない。安くて不味い酒が多いだけだ。ここで美味い酒があれば「飲んでみるか?」となったかもしれないけれど、自身もって外国人に奨められる酒って何だろう。

結局、ビールに国境無し

世界中どこにでもあるし、それなりにバラエティに富んでる飲み物ってビールなんだなと。で、ヨーロッパの人ならドイツビールに近いであろうヱビスは、必ずしも全てのヨーロッパ人が「これが一番だ」とはならない。ヨーロッパも広いから、一概にヨーロッパ人とまとめるのも失礼な話。また、オランダはドイツとは違うビール文化があるようだ。
そして、癖があったり味が濃いビールよりは喉越しを求めてアサヒにするのは決して間違いではない。それどころか、ハイネケンを飲み慣れたオランダ人からすればもっとも口に合うビールという、ある種意外な答え。ビール飲みも好き好きというところか。



キリン派ですが、いま最寄りの自販機でビールはアサヒしか選択肢がないので最近は専らスーパードライです。