落雷を英語で何と言う?

Lightning strike.
Thunderと思った人、残念でした。いや、僕もついさっきまで何の疑いも無く雷=thunderと思ってた。雷雨(thunder storm)や雷雲(thundercloud)からして、またサンダーボルトっていう店やチームの名前もありそう…ちょっとGoogleったらひょこひょこでてきた。

だが、thunderには落雷、正確には稲光の意味は無い。thunderってのはあくまでゴロゴロいうあの音を指し、ピカッと光る稲妻、ズドンと落ちる落雷はlightなのだ。サンダーボルトなんて、イメージとしては雷の電圧なんだろうけど、thunder=稲光は和製英語といって差し支えないくらい英語ではない。雷が落ちた!というつもりで「Thunder has fallen down!」なんて通じそうで通じないんだとか。

続いて、次の問題。英訳しなさい(出典:新TOEIC(R) TEST攻略の王道【リスニング編】 (CD 2枚付き)
(a) 彼は経済学の知識が豊富だ。
(b) 犬がフタを舐めている。

さてどっちが難しいだろう? 文の内容としては(b)が格段に易しいが、英訳しないさいとなると、多くの日本人は(a)の正答率が高い。「経済学(エコノミクス)」「知識(ナリッジ)」という抽象的な単語はよく知っているのに、「ふた(lid)」「舐める(lick)」といった子供でも分かる英単語がなかなか出てこないのだ。(答えは脚注に*1。)著者・森勇作氏の受け売りだけど。

そんなわけで、英語を難しく捉え過ぎな我々は、小難しい抽象的な単語は知ってるけれど、幼稚園児レベルの会話さえ覚束無いんじゃないかと思う。難しい単語を覚えるよりは、簡単な単語の使い方をマスターする方がずっと「使える」んじゃないかと。そのためには文法も不要。不要とは言い過ぎだが、文法に捕われすぎて次のコトバが出ないよりは、片言でも喋ってる方が伝わる。ウチの会社の某偉い人は明らかにカタカナ発音の拙い英語だが一生懸命しゃべって相手(ちなみにとても紳士的なイギリス人)に考えを伝えていたところに遭遇すると、難しい単語よりも身振り手振り交えながら伝えようとする気持ち次第なのかなと。

*1:a: He has a good knowledge of economics. b: A dog is licking a lid.